肺、膀胱、左心低形成など、いずれも正常な発達を阻害する原因を取り除くのが胎児手術の目的の一つです。
左心低形成では、分娩後に右心室だけで全身循環をまかなわせるようにする手術がありますが、心室の筋肉の力が弱いのでどのくらいもつかはまだわかっていません。
理想的には、左心室をうまく発達させる胎児手術も併用して、それでだめなら分娩後の手術もするというように戦術を組み替える必要があるのではないかと思います」と、子どもの慢性・急性疾患のほか、糖尿病などの生活習慣病を抱える妊婦など、リスクの高い妊娠・出産や不妊治療にも積極的に対応するのが、国立成育医療センター。
流産をくりかえしたり、持病があるために妊娠をためらう女性や、妊娠してから病気がみつかったという女性の「駆け込み寺」ともいえる存在である。
リスクの高い妊娠・出産と子どもの治療に国立成育医療センター周産期診療部(東京都世田谷区)専門の内科医が妊娠・出産をサポート。
国立小児病院と国立大蔵病院が統合され、2002年3月、高度専門医療センター(ナショナルセンター)として国立成育医療センターに生まれかわった。
小児科、産科、内科という従来の診療科の枠を超えて、子どもと母親の病気治療にあたる。
特徴のひとつが、周産期診療部。
不妊診療科、不育診療科、産科、胎児診療科、新生児科、母性内科の6つの科があり、それぞれの領域の専門家がいる。
母性内科というのは聞きなれない言葉だが、「病気をもつ女性の『母性』、すなわち妊娠と出産を内科的にサポートする科です」と、母性内科のM医長は説明する。
慢性的な病気をもつ若い女性や、前回の妊娠中に内科の病気にかかり、次の妊娠に不安を抱える女性などが対象になる。
持病のある合併症妊娠の患者は、従来は産科と内科を別々に受診することになり、主治医がはっきりしないまま、不安な気持ちで治療を受けなければならなかった。
その点、産科の専門知識をもつ内科医が主治医になる母性内科では、妊娠に向けての治療計画から妊娠中の治療管理や分娩後のフォローまで一貫して面倒をみてもらえる。
10歳でインスリン依存性糖尿病を発症した女性の場合、妊娠がわかったときに血糖値が高かったため、産科医から奇形の可能性があるといわれてパニックになった。
しかし、同センターの母性内科を受診し、血糖値をコントロールすれば奇形のリスクを下げられると知った。
食事療法と運動療法に励んで、女性は元気な赤ちゃんを出産した。
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